・商流が深いと「良い案件がない」 ・商流が深いと「解約のリスクが高い」
<aside> <img src="/icons/book_lightgray.svg" alt="/icons/book_lightgray.svg" width="40px" /> 単価が安い 「単価=スキル」とは限りません。IT業界では、プロジェクトに関わる仲介業者が増えると、それぞれの段階で手数料が引かれるため、単価が下がる「中抜き再委託」が一般的です。
例えば、**同じAさんでも、商流が浅いX社から派遣された場合は単価が80万円ですが、商流が深いY社では60万円になることがあります。**このため、同じ条件で働いていても、商流の深さによって単価や給料に差が生じるのです。これが、単価が必ずしもスキルを正確に反映していない理由です。
商流の深さは、単価評価制度の「エンジニアの市場価値の反映」という本来の目的から逸脱してしまう危険があるため要注意です。
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<aside> <img src="/icons/book_lightgray.svg" alt="/icons/book_lightgray.svg" width="40px" /> 良い案件が少ない IT業界の多重下請けピラミッド構造では、上位企業が良い案件を優先的に獲得します。
良い案件とは、単価が高く、スキルが身につき、残業が少ないなど、労働条件が良いものです。
商流が深いSES企業には、こうした良い案件が届きにくく、残った案件を扱うことが多くなります。 もちろん、商流が深いSES企業にも良い案件はありますが、その割合は少ないため、わざわざそのような企業に転職するよりも、商流が浅い企業を選ぶ方が賢明です。
また、商流が浅いと直接クライアントとコミュニケーションを取れるため、仕事を効率的に進めやすく、快適に働ける環境が整います。
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<aside> <img src="/icons/book_lightgray.svg" alt="/icons/book_lightgray.svg" width="40px" /> 解約のリスクが高い 見落としがちですが、SESや技術派遣は「景気の調節弁」という役割もあることを忘れないでください。 クライアントが自社で人員を賄わずに外部委託するのは、景気動向によって人員を調整できるからです。
つまり、景気が悪くなった場合には、元請けを0次とすると、3次、4次の下請け企業から契約が切られていきます。
もし、ご自身や周りの同僚が3次、4次の商流の深いところばかりで取引をしている場合、そのSES企業は危険です。
商流が浅い大手のSES企業や技術派遣会社でさえリーマンショック時には稼働率が80%まで落ち込んだことを考えると、商流が深い企業はそれ以上に影響を受ける可能性があります。 還元率の高さだけにとらわれず、転職する際には取引先や商流も考慮すべきです。
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<aside> 👉 「SES企業の価値=商流の浅い案件数」
ITの多重下請け構造が各所で問題にされていることからも分かるように、商流の深い案件で良いことはありません。
商流が深くなるほど、単価は中抜きされ、仕事の質も低下し、景気の影響を受けやすくなります。SES企業の営業力が弱いと、こうした不利な案件に派遣されやすくなります。
**そのため、SES企業の価値は、エンジニア目線で見ると、商流が浅い案件をどれだけ獲得しているかにかかっています。
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