<aside> <img src="/icons/book_lightgray.svg" alt="/icons/book_lightgray.svg" width="40px" /> ボーナス制度がある場合、その仕組みをまず見極める必要があります。
賞与有の高還元SESは、毎月「ボーナスを支給するための積立金」が引かれ、その積立金から待機時保証や交通費、月の稼働時間が基準を下回った際の有休費用などが支払われるという仕組みが一般的です。
特に「待機保証100%」と自慢しているのに、その仕組みが「社員自身の積立金を切り崩す」形で支払われるという点に注意しましょう。(賞与無の高還元SESでは、待機時保証とは単純に「会社が負担するもの」です。)
また、「会社への貢献度」のような限りなく曖昧な指標が設定され、その上げ下げによってボーナスも変わるというケースもあるようです。
色々な仕組みが今後も次々に出て来ると思うので、注意が必要です。
そして、この質問に対してきっちり答えない企業は選ばないようにしましょう。
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<aside> <img src="/icons/book_lightgray.svg" alt="/icons/book_lightgray.svg" width="40px" /> 賞与有と賞与無の高還元SESを同じ条件で比較し、待機が出た場合にどのような影響があるかを検証します。
<aside> <img src="/icons/book_lightgray.svg" alt="/icons/book_lightgray.svg" width="40px" /> 毎月30万の給料が支払われ、10万は積み立てられるとします。 (給料:30万×12ヶ月)+(ボーナス:10万×12ヶ月)= (給料:360万)+(ボーナス:120万)= 480万 3ヵ月の待機中も毎月30万円の給与が支給されますが、同時に賞与から90万円が差し引かれるので、(給料:360万)+(ボーナス:120万-90万)で、 年収は390万円となります。
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<aside> <img src="/icons/book_lightgray.svg" alt="/icons/book_lightgray.svg" width="40px" /> ボーナス制度はないため、480万÷12で毎月の給与は40万円となります。 待機時保証は『1日の平均賃金の60%(業界平均クラス)』とします。 詳細な経理上の計算式は省きますが、月給40万円の待機時の月収は15.7万円です。 また、交通費が別途支給されます。 交通費を1.5万円と仮定します。 (通常時給料:40万×9ヵ月)+(待機時月収15.7万×3ヵ月)+(交通費1.5万×9ヵ月)= 360万+47.1万+13.5万で、年収は420万となります。
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<aside> <img src="/icons/book_lightgray.svg" alt="/icons/book_lightgray.svg" width="40px" /> 賞与有の高還元SESの年収が390万、賞与無の高還元SESが420万でした。約30万の差が生じ、賞与無の高還元SESの方が待機保証が厚いことがわかりました。
同じ条件で賞与無のSES企業の方が有利な状況は、待機期間が5ヵ月まで続きます。
待機期間が半年を超えることはまずないので、賞与有の高還元SESの「待機時保証100%」にはアドバンテージがありません。
さらに、高還元SESには新興の企業が多く、多重請負になりがちです。商流が深いために単価が低い傾向にあったり、実質的な給与還元率が業界平均レベルかそれ以下の場合もあります。
このような違いを無視して「待機時保証100%」を自慢げに語る会社には注意が必要です。
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<aside> <img src="/icons/book_lightgray.svg" alt="/icons/book_lightgray.svg" width="40px" /> 賞与有の高還元SESの中には、待機時の給与を前貸金(将来の労働を条件に、お金を先に払う事)のように処理する会社もあると聞きます。先述の条件で仮に1年間丸々待機した場合、前貸金は240万円に上り、これを向こう2年間の派遣期間の賞与で返済していきます。つまり、2年間は賞与がゼロとなります。 ※面接時では必ず、待機期間が長期になった場合の給与の取扱いについて確認してください。親切な会社は『就業規則』の賃金規定をみせてくれる会社もあります。
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<aside> <img src="/icons/book_lightgray.svg" alt="/icons/book_lightgray.svg" width="40px" /> 賞与有の高還元SESの待機保証は、会社の資金を使わず、社員が積み立てたお金を利用して待機期間中の給与を支払っているだけです。一方、賞与無の高還元SESの待機保証は、社員の積立金はなく、給料の全額が当月払いであり、会社の資金から待機給与が支払われています。
両者の待機保証は名前こそ同じでも、全く異なる仕組みです。賞与有の高還元SESの「待機100%保証」に潜むカラクリにダマされないように注意しましょう。
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<aside> <img src="/icons/book_lightgray.svg" alt="/icons/book_lightgray.svg" width="40px" /> 賞与は会社の自由に減額できるため注意が必要です。 例えば、賞与有の高還元SESでありながら、同業他社への派遣管理タスクツールの販売を行っている会社が、自社製品を他のSES企業にプロモートする際の説明ページにおいて、次のようにボーナスについて説明しています。以下は、その説明の要点をまとめたものです:
<aside> <img src="/icons/checkmark-square_lightgray.svg" alt="/icons/checkmark-square_lightgray.svg" width="40px" /> **●法的には、ボーナスの支給は企業に義務付けられていません。
●労働基準法によると、賞与は定期的または臨時に支給され、勤務成績に応じて変動することが認められています。
●賞与が前年より減少しても、それは違法ではありません。
●給与を減額する際は労働者の同意が必要ですが、賞与の調整は企業の裁量に任されています。
●案る企業の業績が良い場合でも、給与はそのままで賞与を調整することがあります。
●企業が利益を上げていない場合、ボーナスを支給しなくても法的には問題ありません。**
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賞与の法的取り扱いは上記の通りですが、賞与込みの還元率を信じて入社した人にとっては、会社の業績や裁量で賞与が左右されることは、納得し難いことです。 実際、この高還元SES企業は会社の業績を理由にいとも簡単に還元率を下げています。 還元率の引き下げは「給与を減額する際は労働者の同意が必要ですが、賞与の調整は企業の裁量に任されています。」とあるように、月々の給与は労働者の同意がなければ下げることはできませんので、おそらく賞与を減額することで下げる方法をとると思われます。
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<aside> 👉 **賞与有の高還元SESはおすすめしない!
賞与有の高還元SESは、求職者にとって注意が必要です。一般的なボーナスは会社の利益を分配するものですが、高還元SESの賞与は、毎月の積立金を後で受け取るだけです。 この積立金は、会社の業績や裁量によって減額される可能性があります。さらに、待機保証も積立金を解約して支払われるため、保証とは名ばかりで、実質的なメリットはありません。また、賞与を受け取るためには「在籍要件」があり、支給日前に退職すると受け取れないことがあります。**
このため、私が求職者なら、こうした企業を選ばないでしょう。選ぶ場合は、面接で「ボーナスが減額される条件」を確認することが重要です。SES企業のボーナスについて詳しく知りたい場合は、以下の動画も参考にしてください。
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